鉛筆彫刻は、JADプロジェクトの行なう展覧会の「顔」とも言うべき作品で、現在では水田黄昏と加藤邪道が主に制作している。基本的な形状には「二重螺旋」「チェーン」「リング」そして鉛筆の表皮に模様を彫り込んだ「亀甲」の4種類がある。それ以外の「六重螺旋」
「伸縮自在」「三角四角五角六角」などはこれらのバリエーションと見ることができる。鉛筆彫刻は、鉛筆の木の部分に彫刻を施したものである、と言ってしまえばそれだけのことであるが、そこには木の部分を芯の部分から浮かすような細工をする、あるいは芯を完全に取り去ってしまって木の部分だけで鉛筆の本来の形状を保つようにするという高度なテクニックが使われているのである。
このような鉛筆彫刻が一応の完成をみたころに、1つの転機が訪れた。「chained-pencil」に端を発した「一層の木から二層の造形を彫り出す」という大幅な技術革新がそれである。しばらくして作られた「立体交差」は完成度こそ低かったものの、完全な二層構造を実現した初めての作品となった。そしてこの流れを汲んで、見た者に圧倒的なインパクトを与え、しかも完成度の極めて高い「冬の大三角形」「二層二重螺旋」へと鉛筆彫刻は発展していったのである。毎年冬に東急ハンズが主催する「ハンズ大賞」の11回目のときに、我々はこの鉛筆彫刻を出品し「プランニング賞」を獲得した。
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