マーブル式漫画技法

(原題:HOW TO DRAW COMICS THE MARVEL WAY、著者:STAN LEE,JOHN BUSCEMA)

-この色の文章は訳者である私のコメントです。-

-[(ページ数)]は原著でのページ番号です-

戻る


[41ページ]

4.人物について学ぶ

人物について学ぶ
これこそが皆さんの求めていたモノです。前の章では基礎的なこと、食事で例えれば穀物とか野菜とか、そう言ったモノについて解説してきました。しかしここからはメインディッシュとおいしそうなデザートです。



[42ページ]
●漫画を書く上で人物ほど重要なモノは他にありません、しかし私たちはそれがどういったものであるかを良く知りません。全ては皆さんがどのようにキャラクターを描くのかという事にかかっています、ヒーロー、悪役、そしてそれらを取り巻く脇役といったものです。スーパーヒーローものの漫画は人間の物語です。そこで、これから皆さんが知っておくべき事、すなわち人間を描きそしてそれらを出来る限りドラマチックに、かつ英雄的に描く為に必要なことを解説していきます。
5/8P42-
●私やあなたのような平均的な人間から始めましょう。平均的な男性は6.5頭身です。しかしこのリード・リチャーズの絵を見てみましょう。8と3/4頭身であることが分かります。ヒーローを描くときにはヒーローに見えるように、ヒーローらしいプロポーションで描かれなければなりません。不運なことに通常の6.5頭身でマーブルコミックスに描かれた人はちょっとずんぐりして見えてしまうのです。
●言うまでもなく肩幅は広く尻は小さく描かれねばなりません。ごく自然に、ぱっと見て分かるように男性は女性よりも角張った風に描かれなければなりません。
●もう一つ覚えておきたいのは肘は腰よりも若干下に位置していると言うことです。これは男女共通です。


[44ページ]
●女性についてはどうでしょう、スーザン・ストームにあってリード・リチャーズにないものは?
●彼女も同様に8と3/4頭身であることが分かります、また男性に比べて尻が肩幅と比べたときに相対的に大きくなっています。
●はっきりしているのは女性に於いては筋肉を強調してはいけないと言うことです。私たちは彼女が弱虫でないと思っていますが、筋肉質で角張ったモノと解釈されている男性とは逆に滑らかで柔らかいモノとして描かれます。
●同様に女性の頭は男性のそれと比べて若干小さめに描くと良いということが分かります。実際彼女は全体に渡っていくらか小さめに描かれています、胸を除いて。
●目安として、男女問わず立った姿勢では手はいつも腿の中央にあることを覚えておいてください。

[46ページ]
このイラストの主な目的は普通の見栄えの良い男性を描くのと立派な体格のスーパーヒーローを描くときの違いを明らかにすることです。
スーパーヒーローは大きく広い肩幅で、より筋肉質な腕と脚で、胸板は厚く、より印象的な姿をしています。キャプテンアメリカの隣に描かれているヤツよりも弱そうに見えるところはなく、そればかりか普通の男性に比べ、より印象的で、よりドラマチックで、より堂々としています。
最も重要な点を一つあげるとすればそれはおそらく、常にヒーローとしての特徴を強調し、ネガティブでもっさりした感じは無視するか取り除いてしまうということです。
それでは悪役についてはどうなのでしょう?良い質問です、次のページで見ていきましょう。


[47ページ]
悪役についてもヒーローと同じ法則が実質的には適用されると言ったら信じますか?(これは悪役を描くどんな場合にでも適用されます)
このページでは悪魔的かつドラマチックなDr.ドゥームの絵を2枚取り上げます。上にあるイラストはなんとも普通で月並みなラトベリアの支配者を描いています。安っぽい、マーブルでない作家はだいたいにおいてこんな風に解釈して描きます。下のイラストはダイナミックなマーブル式の描き方でドゥームを生き生きと描いています。
違いが分かりますか?優れている点を見返していきましょう。
上の絵は基本的に間違っているところはありませんが、下の絵の方がより大げさな感じであることが分かると思います。Dr.ドゥームの腕や脚はより太く、堂々としています。彼の脚はより開いて置かれ、それがより重量感と威厳を立ち姿にもたらしています。彼のチュニックが少し揺れています、これによりキャラクターが静止していても動きを感じさせることが出来ます。彼の胸板はより厚く、彼の手はより大きく、力強いモノとなっています。

両者の違いはやや判別つきがたいものがありますが、この上にある方がマーブル式なのです。重要なのは皆さんがこれらの分かり難くはありますが本質的な差異をとらえようと目を動かすというところにあります。こういったことがすばらしい作品とまぁ妥当な作品の間の違いを表すことができるのです。そして私たちはマーブルの作品群を他のものより劣ったものと考えることは絶対ないのです。


[48ページ]
当然のことながら物事には例外があります。平均的なスーパーヒーローは8と3/4頭身ではありますが、シングのような6頭身のかわいいキャラクターに出くわすこともあるでしょう。そんなときに皆さんは彼にMr.ファンタスティックの様な体型であってほしいと思ったりはしないでしょうね?(ちょっと話題とは離れたことを考えました。読者の方、言葉の上での生徒である皆さんに頭を使って考えてほしいことがあります。「平均的なスーパーヒーロー」と言う言い方は前提のない結論でなければならないのです、そうですよね?おもしろいことに、このことは皆さんがキーボードをたたいているときでも頭の中に入ってくるのです)
覚えておいてほしいことがあります。(テストするかもしれないので!)教えた決まりは身につけ、記憶の一部とし、しかしいつでも柔軟に対応しなければなりません。時にはこのルールをちょっと拡張したくなるでしょう。重要なのは「ルールを曲げてうまくやるためにはまずそのルールを完璧に身につけている必要がある」ということです。


[49ページ]
ちょっとした楽しみに、かろうじて5頭身しかないようなキャラクターを扱うことをキングピンの場合で考えてみましょう。ポイントとなるのは幼児用パンツを着けているように見せることなく彼をしゃがませることです。体に対して頭を大きくとればとるほど、キャラクターはより重く、かさばった感じに見えるようになります。
それでは人体を勉強したところで・・・・


戻る