マーブル式漫画技法
(原題:HOW TO DRAW COMICS THE MARVEL WAY、著者:STAN LEE,JOHN BUSCEMA)
-この色の文章は訳者である私のコメントです。-
-[(ページ数)]は原著でのページ番号です-
この章は重要です。1秒も無駄にしないように!
[52ページ]
こちらをみてください。駆け出しの漫画家にまず必要なのは自信を持つことです。そしてここにその方法があります。
ほとんどの人は(Irving Forbush であっても)丸と線だけの絵なら描けます。これらは簡単で、楽しく、そして何より重要なことには皆さんがキャラにさせたい動きや姿勢を決めるのに一番簡単な方法であるということです。
最初から完全な絵を描こうとしてはいけません。落書きの時間の全てをこの丸と線の絵を描くことに使いなさい。これらの落書きで数時間か数日か数週間か、とにかくこれが自然に見えるまで、仮想的にどんなポーズでも描けるようになるまで、過ごしてください。
[53ページ]
さて、こうしてどんどん線と丸で描く絵に熟達してきたのなら、次のページに示すような「肉付け」を始めてみましょう。
[54ページ]
楕円を書き加えて胸郭の部分と臀部を表すことが出来ます。続いて、腕と脚はこの線画に円筒を描き加えるところから始まります。
例としてアイアインマンが悪漢に向かって飛びかかろうと身をかがめた様子を描くことを考えてみましょう。まず、簡単な丸と線で適切な姿勢をとらせます。
円筒を描き加えて、肉付けします。注意点としては常に最初の丸と線の絵の上に描いていくと言うことです。即ち、体の一部分が腕や脚で隠されることがあっても、気にせずその上から描いていくと言うことです。手足で隠れる部分は後で消せばよいのです、描いていく過程で解剖学的に人体の部品を正しい位置に配置していくことが身に付きます。
肉付けが終わったら最後に今までその上から描いていた最初の線を消します、するとこのような古いバージョンのアイアンマンが描けます。(ビュッセマ氏と同じくらい修練を積めば、ですが)
[メモ:原文にある「ol' Shell-head」をこう訳しましたがこの本が書かれた時点でアイアンマンってリニューアルされていたのかどうか。Shell-headっていうのがアイアンマンの異名のことだとは思うのですがもしかするとそれすら間違いなのかも]
[55ページ]
こちらのページのスパイダーマンについても同じ事が言えます。取らせたいポーズを決め、丸と線であたりを付けます。スパイダーマンの左足があなたの方を向いて曲がっているのに気が付きましたか?これは「短縮法」と呼ばれ、漫画の中ではよく使われる表現です。
さて、こちらが再び肉付けをしていくところです。少し工夫を加えて円筒を描いていきましょう。どうして早い段階から円筒をひずませているか、分かりますか?
肉付けの作業はここで示したような簡単なものであるという嘘は付きたくありません。そういうことです。しかし練習を積めば簡単に出来るようになります。最も重要なことは紙に描く前に完成品を思い浮かべ、丸と線で描かれた人間を描いていくということです。
[56ページ]
それでは、立方体とそれに類するもの、人間の形態を完全に理解した人、そういった人向けに別の方法で人体を描く方法を教えましょう。そぎ落とし法といい、これはより基礎的ではっきりしたやり方です。出来のいい生徒であればこんなものを描き出すことが出来るでしょう。
ラフ書きの重要性を過小評価してはなりません。単純な線での描写から初めてこのページにあるようなラフ書きに至ります。ジョンが説明しているように、これは彫刻家になって粘土で塑像を作っていく過程に似ています。人物の形になるまでこのような粗い線を付け加えていきます。
ラフ書きのもう一つの重要な点は気持ちにゆとりができると言うことと動きやアクションといったことに対する感覚が養われると言うことです。ラフ書きを正しく行い、必要な線と不要な線をより分ける目を養いましょう。
そうすれば、鉛筆で人物をかたどるうちに、重要な線を際だたせ、不要な線を除くことができるようになるはずです。
[57ページ]
ここにあるように、同じ技法をどのようなポーズ、雰囲気、人物に対しても、老若男女の区別なく当てはめることができます。スケッチに現れている進歩があっさりわかりましたか?描こうと思ったポーズを描き終えるまでに、単純な線と丸から始めて、頭の中で円筒に置き換えて考えてラフ書きを続けること、ここまでの一連の流れが理解できましたか?
絶対に絶対に忘れてはいけないのはラフ書きから始めてそれに肉付けしていくという作業で絵を描くのだということです。これはプロのやり方であり、最良の方法であり、まさにマーブル式なやり方なのです。