マーブル式漫画技法
(原題:HOW TO DRAW COMICS THE MARVEL WAY、著者:STAN LEE,JOHN BUSCEMA)
-この色の文章は訳者である私のコメントです。-
-[(ページ数)]は原著でのページ番号です-
マーブルにおいて、特別なもの、トレードマークであるもの、アクション。聖徒諸君、鉛筆を研ぎ澄まし迎えたまえ、ここには君たちを少年から男にするものがある。
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単純な丸と線で人間が描けるようになってもまだそれは道半ばです。スーパーヒーローものの漫画を描くときにはそれを動かし、アクションをさせ、命を吹き込まなければなりません。
単純な丸と線で描くやり方を使って、キャラを走らせたり、歩かせたり、ボール遊びをさせたり、パンチを繰り出させたりしてみてください。隣のページにあるような一連のスケッチをしてみて可能な限りさまざまな段階でのアクションを描いてみてください。次から次へスケッチを重ねて、動きをつけることに習熟しなさい。ゆっくり、大まかに、気軽に、たくさんの線を思うがままに殴り書きしてみなさい。絵を完成させようと思ってはいけません、あせらず、動きを感じることを目指してください。
一連の絵の中で最初と最後の絵が一番インパクトがある、一番動きらしい絵である、ということに注目してください。マーブルコミックスでは他の人たちがここの中間に描かれているのを使うのに対して、この両端の絵を使います。
重要なのは、これらのスケッチの中で動きを確立させているのは3、4本の線だけであるということです。隣のページ下の二つのスケッチを見てください、ジョニーは自分がさせたいアクションのすべてをたった2、3本の線で捕らえているのだということに気づいてください。そしてその線に基づいて肉付けをする彼の技術の確かさにも着目してください。しっかり練習を積めばあなた方もこの境地に至ることができます。
アクションは誇張するようにしなさい、大まかに、しなやかに描き、いつも動いているようにしなさい。
3、4本の線がどうやって自分の描くアクションを確立させているのかに注目してください。しなやかさが分かり、動きを感じることができるようになったら肉付けをしてみてください。
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人体の頭からつま先にかけての中心線には格段の注意を払ってください。この線は一番最初に引いてください。曲線と、しなやかな感じと、とらせたいポーズの元となります。
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すべてのポーズには「リズム」があるのだということを心にとめておいてください。一本の中心線によってこのリズムを取ることができ、肉付けをすることができるようになるのです。
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いくつか例をあげ、どちらがより好ましいか、そしてその理由は何かということを学んでいきましょう。
図1、及び図1Aはともに走っている人物のラフスケッチです。しかし、図1Aの方がより速く、よりドラマチックに、よりヒーローっぽく動いていることが分かります。図1Aでの人物の中心線がよりしなっていて、彼を力強く、あるいは差し迫った感じに前へ進めていることが分かります。
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同じ事は図2、図2Aにも言えます。両方ともキャラが顎にパンチを食らってのけぞっているところです。図2は何が起きているのか容易に判別でき、理解可能なスケッチですが全くマーブル的なやり方をとっていません。そのため死んだようで、動きが無く、そして2Aに見られるような鋭いカーブの中心線がありません。どれくらい2Aの方がおおらかに描かれているのか、足は曲がって後ろへ突き出され、腕は前に突き出されています、そういった点に着目してください。また、頭が体の中心線に沿い、流れるような優美な曲線を成していることにも注目してください。これがマーブル的なものなのです。
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単にキャラが立っているだけでも同じ法則が適用されます。隣のページのスケッチを見てください。
いずれの場合も小さいほうのスケッチで用を成しますが、それは単に事足りているというだけです。特にドラマチックというわけでもなく、ヒーローらしくも無く、どうでもいい感じです。
それでは大きいほうのイラストはどうでしょう、同じポーズをしていますがよりドラマチックでヒーローらしく、読者の興味をひきつけます。
両者の違いはそれほど顕著ではありません、ちょっとした工夫、頭をより前に出すとか、足をもっと広げてみるとか、その程度の工夫が全体を見たときの両者の差となっているのです。基本的には小さいほうのスケッチは良くできてはいます、しかし大きいほうに見られるやり方がマーブル式なのです。
次の2ページ(68、69ページ)には純粋にマーブル式の技法で描かれたスケッチを提示してあります。これらを良く見て学び、模写してみましょう。それぞれはシンプルで、おおらかで、気軽なものです。そして簡単な線で描かれてはいますがこれらはすべて素描においてもマーブル式の技法を理解するための素晴らしい例なのです。
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さて、皆さんが完全な人物を描けるか不安に思っているのは良く分かりますので、正しく理解することを目指しましょう。ジョンは描いていく過程を5つの段階に分けてくれました。1)基本となる中心線を描いてポーズと動きを決める。2)肉付けをする(球、立方体、円柱のことを思い出してください)。3)描き進めながら必要な部分を描きたしていく。線のタッチはあくまでゆったりとして、淡く、優美な感じを保持してください。間違った線を引いても気にしないように。その上にさらに淡い線を描き足して、正しいと思える形に持っていくようにしてください。
ステップ4)5) ここが重要なポイントです、続きは次ページで。
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4)ほらね、今までのいたずら書きで引いた線を注意深く見て選んでいけば一番ふさわしい線が分かって、それをもう一度強くなぞれば最終的な形が現れてきます。
5)第2章で学んだ球や立方体、円柱に影をつけて立体感を出すやり方を思い出してください。同じ事を人体について適用するやり方は…皆さんをじらすために後で述べることにします。
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先ほどの5つの段階をもう一度たどってみましょう。今度はスパイダーマンがモデルです。ジョンの描いたお手本を、それぞれのステップごとに真似てたどってみてください。実質的にはすべての作家が同じ手法か、または良く似たやり方を使っています。
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すっかりスパイディの後姿については上達したと思いますので、ポーズを替えてあなた自身の決めたポーズで描いてみてください。ただし、中心線から描き始めて5つの段階をたどることは忘れずに。
次のページではマーブルの漫画のコマから抜き出した絵を基礎的な要素に戻したものを示します。注意深くそれらを観察して、肉付けをして最終的にオリジナルと同じものが描けるかどうか試してみてください。いい練習になります。また、中心線を引いて描くことの重要性を理解する一助にもなるでしょう。